溶けろよ、心
『あ!そうだ、これ!晴斗に』
『ん?……キーホルダー?』
お土産屋さんで買った、超リアルな清水寺キーホルダー。
それを、晴斗に手渡した。
『うん!私も同じの買ったんだ』
同じキーホルダーを見せながら、私はピースサインをしてみせる。
『ありがと』
晴斗は、恥ずかしそうに微笑んだ。
*
次の日、私は鞄にそのキーホルダーをつけた。
その日の授業中、晴斗の筆箱に同じものがついているのが見えた。
周りで授業を受けている、誰も知らない私たちの秘密。
私たちは、繋がってるってこと。