溶けろよ、心
◎16歳
朝。
昨日は疲れて早く寝たから、目覚めがいい。
机の上のオルゴールを手に取って、音を聴く。
これはそろそろ日課になりつつある。
今日も着替えるのは私服だ。
黒っぽい服を選ぶ。
部屋を出ると、ちょうど同じ時に部屋から出た菜穂と目が合った。
「お姉ちゃん、おはよう」
最近学校に行かない私に対して、気まずそうな妹。
心配させたくなくて、私はいつものように菜穂に抱きついた。
「なーほ!おはよう!」
「もう!お姉ちゃん!」
怒る妹がかわいいなんて、私はどうかしてるのかもしれないな。