溶けろよ、心


制服屋のウィンドウには、うちの高校の真新しい制服が飾ってある。

懐かしいな。

一緒に卒業できないなんて、思ってもみなかったよ。





『似合うよ〜真由!晴斗くんも』

お母さんが言った。

『ほんと!やったー!ねえ晴斗、どう?似合ってる?』


私が晴斗に制服をひらりと見せると、晴斗は鼻で笑った。


『大抵の人は似合うだろ、こんなん』



『晴斗!素直になりなさいよ』

晴斗のお母さんが晴斗をからかう。


『あーはいはい』

晴斗の気だるげな態度に6人みんなで笑った。





お父さんたちは、自分から来たいと言ったくせに少し離れたところから私たちを見つめていた。

そんな2人を見て、私と晴斗は顔を見合わせてまた笑った。
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