溶けろよ、心
「…バーカ」

男子高校生でしょ?もっと欲しいもの他にあるでしょ。何でこんなに優しくしてくれるの。

芸能人なのに。
私とは別世界を生きてるのに。

勘違いしそうになる自分が怖い。

好きだって言いたい。抱きしめたい。

だけどアイドルの晴斗にとって、私のこの気持ちは迷惑だよね。


「バカとはなんだ、バカとは!」

晴斗がはははっと笑う。

「…ありがと」


聞こえるか聞こえないかの声で呟いた。

晴斗はにやっとして、頷いた。
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