溶けろよ、心

一週間後、晴斗は学校に復帰した。

お通夜のときとは見違えるほどに元気な姿で。




どうしても心配だった私は、放課後の公園で声をかけた。


『大丈夫?』


『え?見ての通りだろ。大丈夫だよ』

晴斗はそう言ってはにかんだ。


空元気に見えたから、私が晴斗の目をじっと見つめていると、晴斗はまた笑って、

『なんだよ、大丈夫だって!お前の顔見たら、俺元気になった』

なんて言うから、私の方が泣きそうになる。


『泣き虫かよ。泣くな泣くな』



一週間ぶりに会った私たちは、その後日が暮れるまで話を弾ませた。



悲しさを紛らわすためなのか、晴斗はあの日、いつもの3倍は多く話して、笑ってたよ。




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