溶けろよ、心
◎17歳
*
翌朝。
「いってきます」
今日も、学校へは行かない。
そういえば、体育祭に向けたダンス練習を私はほとんど受けていない。
本番どうなっちゃうんだろうな…。ぼんやりと、他人事みたいに考えた。
電車に揺られること1時間。
目的地に着いた。
アウトレットのショッピングモールの中には、大きなゲームセンターがある。
高校生になった私と晴斗は、1時間もかけてやってきてはここでよく遊んだ。
成長するにつれ、周りの行動範囲はかなり広くなる。
誰かに見つかって、からかわれないようにするには、家にいるか、遠出するしかなかった。
以前梨菜が、私と晴斗の噂が流れていたと言っていた。
いつか、ここで見られてしまったのかもしれない。