溶けろよ、心
11.すれ違う心
*
翌朝、私は町田くんと一緒に東京行きの電車に乗っていた。
「ねえ、よかったの?学校サボっちゃって」
今日はまだ金曜日で、学校はある。
それなのに、町田くんは今日東京へ行くと言う。
「それは、橘には言われたくないね」
うう……ごもっともです……。
「ははは、うそうそ。別にいいでしょ、サボるくらい。非行に走ってるわけでもないし。
サボれるのが学生の特権なんじゃない」
「そ、そうなのかな……?」
町田くんは、案外呑気そうだった。
「あの、怒ってますか?メール返信しなかったこと」
「あー……怒ってますね、はい」
町田くんが、恐ろしい作り笑いを浮かべる。
や、やっぱりーー!
私は頭を抱えた。どうしたら許してもらえるだろう。
と、私が怯えていると、町田くんが慌ててフォローしだす。
「だから嘘だって!!」