溶けろよ、心
*
晴斗の行きつけだというカフェは、若い女性客で混雑していた。
ネットの情報の影響で、Answerのファンも集まっているみたいだ。
「やめておく?こんなに人がいたら、晴斗来ないだろうし」
入店待ちの列に並びながら、私は尋ねた。
「いいじゃん。ここで食べようよ。橘も志賀がよく行くカフェ気になるだろ?」
「それは……気になる……」
町田くんは、どこまでも私の気持ちがわかっている。
「ははは、かわいい」
久々のかわいいは、私の調子が狂わせる。
私は気にしていないふりをするために、軽く目を擦ってみた。