溶けろよ、心


「そんなこと俺だってわかってる!なあ、志賀。橘に話してやれよ、お前がなんでアイドルやってるのか」


志賀が息を呑むのが聞こえた。


「……絶対に嫌だ」


いつまでも、意地を張るやつだ。


「仕事と橘を天秤にかけんな!お前最低だよ!」


「はあ?天秤かけたなんて誰が言った!?俺はそんなことしてない!」


「かけてんのと同じだろうが!結局橘を捨てて、仕事だけを選んでんだから!」


「お前に、俺の気持ちはわかんねえよ!」

< 227 / 334 >

この作品をシェア

pagetop