溶けろよ、心
「そんなこと俺だってわかってる!なあ、志賀。橘に話してやれよ、お前がなんでアイドルやってるのか」
志賀が息を呑むのが聞こえた。
「……絶対に嫌だ」
いつまでも、意地を張るやつだ。
「仕事と橘を天秤にかけんな!お前最低だよ!」
「はあ?天秤かけたなんて誰が言った!?俺はそんなことしてない!」
「かけてんのと同じだろうが!結局橘を捨てて、仕事だけを選んでんだから!」
「お前に、俺の気持ちはわかんねえよ!」