溶けろよ、心
ブランコに腰かける。
横を見ると町田くんがいる。
このブランコに座るのに、隣が晴斗じゃないけれど、何だかしっくりくるのはきっと町田くんだからだ。
「な、何から話そうかな」
町田くんは頭を搔いたり、肘を触ったり、ソワソワしている。
緊張しているのが伝わってくる。
「……落ち着いてからでいいよ」
いくらでも待てる。
だって町田くんは、口下手な私の言葉をいつも待ってくれたもの。
私は町田くんを見つめた。
町田くんは、「よし!」と何かを決心した表情で口を開いた。