溶けろよ、心
それからまた席替えして、あいつとは話す機会もなくなった。
挨拶以外で次に志賀と話したのは、9月……だったと思う。
その時期の志賀はちょっと荒れてたよ。
授業中は寝るし、誰かに声かけられても不機嫌そうにしたりとか。
誰の目から見ても、様子はおかしかった。
俺、さすがに心配になってさ、声掛けたんだ。
『おい、志賀。どうしたんだよ』
『なんでもねえよ。ほっとけ』
志賀は拒絶したけど、俺は無理やり吐かせた。