溶けろよ、心




町田くんの話には、理解出来るところと出来ないところがあってこんがらがった。

「……じゃあ、私の声を好きって言ったのは?嘘?」


初めて話した日、町田くんはそう言ってた。


「それは本当!断じて嘘じゃない!!」

「そっか。なら良かった」

ほっとした。
それだけで、町田くんとの今までは嘘じゃないと思える。

「これからも、仲良くしてくれますか?」

町田くんが私のことをチラチラ見ながら、気まずそうに言う。

「もちろん、こちらこそ」

町田くんはよかった〜とガッツポーズをした後、
私の顔をのぞき込む。


「他に、聞きたいことは?」


聞きたいこと……。

「……私、なんで晴斗のお母さんが病気だってしらなかったんだろう…」


私だって、教えて欲しかった。晴斗に。
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