溶けろよ、心
今日は、体育祭。
久しぶりの学校。
天気は可もなく不可もなくって感じで、9月にしてはだいぶ涼しかった。
みんなに会うのは実に一週間以上ぶりで、緊張している。
昨日るいから連絡が来て、今日はグラウンドに集合らしい。
私はグラウンドへ向かうと、るいの姿を探した。
「あ、るい!」
少しずつグラウンドには生徒が集まってきている。
その人混みの中で、私はるいを見つけた。
「真由〜!」
るいが私に飛びついてくる。
久しぶりの感覚になんだか感動を覚えた。
るいが私の顔をじっと見つめて、ニッコリと笑った。
「真由、もう元気そうでよかった」
「うん。心配かけてごめん。
もう全部吹っ切れたよ」
私がそう笑いかけると、るいは安心したように頷いた。
暑くなり始めた夏の日、二人きりで話した昼休みを思い出した。
あの日、るいに晴斗のことを話してよかった。