溶けろよ、心


昼休み。るいちゃんが人がいないところがいいって言って、屋上へ続く階段でお弁当を広げた。



「なんで志賀くんと仲良いの隠してたの?たぶんみんな気づいてないよ」

「それは、みんなにからかわれたくなかったから」

「からかわれる?」

「うん。なんかね、恋人みたいに見えるんだってさ。笑っちゃうけど」

自分で言ってて虚しくなる。



「……ふーん。好きなんだ、志賀くんのこと」

「今の話でなんでそうなるの!?」



るいちゃんにはたまにびっくりさせられる。

「悲しそうだったもん、なんか。ちゃんと気持ちは伝えたの?」
< 26 / 334 >

この作品をシェア

pagetop