溶けろよ、心
「……何もした覚えはないけど、
一昨日ね、町田くんが晴斗に電話かけてくれて、晴斗と久しぶりに話せたの。
そのときから、なんとなく目が合わないような気がする」
「それは、真由が嬉しそうな顔するからじゃん」
るいが「何をわかりきったこと言ってんの?」とでも言いそうな顔で言う。
ど、どういうこと?
「そりゃするよ。晴斗と話せたんだもん」
「まあね。しっかし、町田くんも人が良すぎるねぇ。ふふふ」
るいはまた笑った。
さっきからるいの言っていることがイマイチわからない。
「……うん。優しい人」
とだけ答える。
町田くんのことを考えて、少し自分の口角が上がった気がした。
「あ、あとね」
「うん?」
「町田くんに、晴斗に似てるって言ったときも、怒ってたっていうか、ちょっといつもと違ったかも」
私がそう言うと、るいは眉間に皺を寄せた。
「あ〜。それは傷ついてるかもね」
「なんで?」
「なんかさ、町田くんを志賀くんの代わりにしてる感があるから」
えっ??
「そんなことしてない!」
思わず興奮して大声を出してしまった。