溶けろよ、心
*
「そういえば、町田くんは志望校どこなの?」
町田くんオススメのラーメン屋さんで、ラーメンが運ばれてくるのを待つ間に私は尋ねた。
町田くんが迷わず醤油ラーメンを選んだので、私もそうした。
「俺は、都内の私立大」
「そっか。東京か」
私は地方に行きたいから、進学すれば会い難くなる。
寂しいな…。
「もう指定校推薦でほぼ決まってるんだよね」
「ええ!?」
こんな時期にもう大学決まってるなんて…!
「うん。ついこの間ね。
羨ましいだろ〜」
「羨ましい…」
「志賀と近いしな」
町田くんが得意げに笑う。
「あ、そっか」
町田くんと離れてしまうということは、晴斗とも離れてしまうということ。