溶けろよ、心





「そういえば、町田くんは志望校どこなの?」


町田くんオススメのラーメン屋さんで、ラーメンが運ばれてくるのを待つ間に私は尋ねた。

町田くんが迷わず醤油ラーメンを選んだので、私もそうした。



「俺は、都内の私立大」


「そっか。東京か」


私は地方に行きたいから、進学すれば会い難くなる。

寂しいな…。



「もう指定校推薦でほぼ決まってるんだよね」


「ええ!?」


こんな時期にもう大学決まってるなんて…!


「うん。ついこの間ね。

羨ましいだろ〜」



「羨ましい…」



「志賀と近いしな」

町田くんが得意げに笑う。


「あ、そっか」


町田くんと離れてしまうということは、晴斗とも離れてしまうということ。



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