溶けろよ、心
ラーメン屋を出て、また学校へ向かう。
「結構穴場でしょ、ここ」
私は頷いた。
ただひたすらに怖くて、言葉が出ない。
町田くんにどう思われているかが。
心臓がバクバク音を立てる。
「真由」
名前を呼ばれて、苦しくなる。
ビクンと心臓が跳ねた。
「なに?」
私は町田くんの方を見れなかった。
「さっきは顔だけだったけど、今は耳も赤い。
大丈夫?暑い?」
私は自分の耳を急いで隠した。
「大丈夫か?」と町田くんが私の顔を覗き込む。
恥ずかしさがピークに達して、必死に顔を背けた。
だって耳まで赤くなっちゃうのは、町田くんのせいだから。