溶けろよ、心



ラーメン屋を出て、また学校へ向かう。


「結構穴場でしょ、ここ」


私は頷いた。


ただひたすらに怖くて、言葉が出ない。

町田くんにどう思われているかが。



心臓がバクバク音を立てる。



「真由」


名前を呼ばれて、苦しくなる。
ビクンと心臓が跳ねた。


「なに?」


私は町田くんの方を見れなかった。


「さっきは顔だけだったけど、今は耳も赤い。
大丈夫?暑い?」


私は自分の耳を急いで隠した。


「大丈夫か?」と町田くんが私の顔を覗き込む。

恥ずかしさがピークに達して、必死に顔を背けた。




だって耳まで赤くなっちゃうのは、町田くんのせいだから。



< 306 / 334 >

この作品をシェア

pagetop