溶けろよ、心
「ははは、まあいいじゃん。とりあえず連絡先教えてよ」

私は自分のケータイを出す。


「はい、登録〜!」

町田くんは笑った。町田くんの笑顔を見ると、空気感に触れると、なんだか爽やかな気持ちになる。


晴斗のことを考えているじめじめした気持ちを消してくれる。

「詳細は連絡するから。今週末空けといてね!」


「行くなんて一言も…」


町田くんは言い逃げた。強引だなあ、まったく。そう思いながら私は、自分が笑っていることに気がついた。



たぶん町田くんは、私と晴斗が幼なじみだって知ってる。もしかして、晴斗が東京に行くことも知ってた?だから私に構ってくれるんだ。優しい人。
< 34 / 334 >

この作品をシェア

pagetop