溶けろよ、心
【隼人side】

橘が楽しそうで良かった。

無理やり連れ出して、ちょっと罪悪感があったけど。


待ち合わせ場所に走ってきてくれたのは驚いた。なんとなくクールな印象があったから。


メニュー選びの時、橘がメニューをのぞき込むと、俺との距離が近くなった。
橘はすぐに離れたけど、俺は少し寂しくて、悔しかった。

きっと俺が志賀じゃないからなんだろう。




「本屋でも行く?」

橘が笑顔を見せてくれて嬉しかった。でも、本屋は選択ミスだった。
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