溶けろよ、心
だめだ、だめだ、だめだ。泣いちゃだめ。
晴斗の雑誌を見たくらいで、そんな。



先に行く町田くんについて行く。涙がこぼれないように上を向いたりしながら。


ぐすんと鼻の音がなった時、町田くんが振り向いた。バレてしまう。


次の瞬間、町田くんは私の手を取った。

そして、今来た方向とは反対に歩き出した。



「ま、町田くん?」

「行先変更」

町田くんはそうとだけ呟いた。
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