溶けろよ、心
「あ……」

気がつくと、町田くんが立っていた。

爽やかな白シャツにジーンズ姿で。それは、すごく町田くんに似合っていて、好青年な感じがした。


「あ、あの、すいません」

藤山くんは私たちの顔を交互に見ている。

「ち、違うよ、藤山くん。隣のクラスの町田くん。…で、こちらが放送部の後輩の藤山くん」

私は町田くんと藤山くんにそれぞれを紹介した。

「ああ、後輩なんだ。1年?」

「はい。そうです」


2人とも笑ってはいるけど微妙な笑顔……?

それじゃあ失礼します、と、藤山くんは私たちにぺこりと頭を下げて行ってしまった。
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