ずっと好き
第一章
美春と春樹
「ねえ、春に思いつく木って何の木?」
私は旦那の春彦と3歳の双子の春香(はるか)と春夜(しゅんや)に問い掛けた。
「でっかい木!!」
春香と春夜が同時に答えた。
「それは春じゃなくてもあるだろ。」
春彦が笑いながら言った。
「そっかあ」
「俺は桜だな」
春彦は桜の木を見上げながら言った。
「じゃあはるも桜~!」
「しゅんも~!」
春香と春夜は大声で言った。
「ママは?」
「ママも、桜……優しくて大きくて温かくて、見守ってくれてるって感じがするの。
嬉しかったときも悲しかったときも桜は恋人のように一緒にいてくれてる感じがする。
辛いときは桜に何度もなぐさめられたな。そんな桜がママは好き。」
「分かるよ…」
春彦がつぶやいた。
「たぶんあいつも桜になったんだよね」
「あいちゅ??」
春香が聞いた。
「そう・・・馬鹿なあいつ」