野良ネコと…………ひなたぼっこ
「唯ちゃ~ん。起きて………。」

「ゆい。」

「起きないとキスするよう~」

何を言っても起きないお姫さまは

こんなに近くにオオカミがいるのに……よく平気で寝れるよなぁ。

男に免疫がないって……案外、一番無防備なんだよ。

オレがスッゴく悪いヤツだったら………

コッソリキスをされてるよ。

お嬢さん、そろそろオレも限界なんだけどなぁ~。

目の前に可愛い彼女がいるのに…何にもしないんだよ。

……………ホント、何を言っても起きない。

「コラッ!ホントに襲うぞ!」

鼻を摘まむと、ようやくムニャムニャいい始めた。

あぁ~、やっぱり可愛い。

やっと起きたと思ったら……

「えっ!!バス?」って焦り出し、オレから距離を取る唯ちゃん。

そりゃ、旅行中はバレないようにって……言われたけど………。

ちょっと傷つく。

これでも休憩しないで、側にいたんだよ。

唯ちゃんを守って出掛けなかった彼氏に………

もうちょっと優しく出来ないかなぁ~。

「先生は……出掛けなかったの??」

そうそう、これですよ!!

「唯ちゃんを置いて行けないよ。
どうする?何処か歩いてみる?
それとも二人でここにいる??」

「ダメなんです。
唯だって、一緒にいたいけど……バレると困るもん。
帰ったら、今度はちゃんとデートするから………。」

やっぱり。

わざと遇わなかったな。

ホントに………まぁ、キスが恥ずかしかったんだろうけど。

「だったら、旅行が終わったらデートして……ほっぺにチュウして……
海で約束した、1つ何でもお願いをきいてね!」って大人げないけど……

ワガママを言ってみた。

抗議の言葉を聞く前に

「じゃ、2日間あまり近くに居られないけど…楽しもうね!」って離れた。

本音を言ったら、2日間強引にでも一緒にいたい。

でも……

唯ちゃんが自分から一緒にいたいって思ってくれないと………

これから何があっても、乗り越えていけない気がする。

将来を考えるから……

せっかくの旅行だけど………我慢しないとな。

唯ちゃん………どれくらい頑張る気かなぁ~

早めに音をあげて、一緒に過ごせたら良いのにな。
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