野良ネコと…………ひなたぼっこ
風呂からあがったオレは…………

彩先生に呼び出しを喰らってる。

ホント、ここの幼稚園でのオレの立場って…………。

「先生。先生は……何を言わなくても………分かってますよね?
幻滅させないで下さいね!」

彼女が一番恐いのかもしれない………………。

飲み会が始まって…………

人気者の唯ちゃんの周りは…………スゴい状態だ。

コウはともかく……

四人に咲ちゃん、園長や主任まで……

だれかれとなく、ちょっかいを出しに行っている。

オレも??

今がチャンスかと席を立ったところで………

「はい!貴方はこちら~!」と3人につかまった。

また説教??

ウンザリしていたオレに………

『取引しましょ!』と不敵な笑みを浮かべる海晴先生。

『悪い話しじゃないから。』と、オレの逃げ道を塞ぐ夏苗先生。

『これを見て!!』と、嬉しそうに本を見せる梓先生。

本???

「もう!!アズ、まだ早い!!」と怒る海晴先生に

ペロリと舌を出して笑う梓先生。

「先生、良い条件だから"うん"って言った方が良いよ。」と

オレの耳元でコッソリ教えてくれる。

なんなんだ??

部屋の端に引っ張っていかれ

「唯ちゃんを泣かせるって、どういう事!」って…。

泣きたいのはオレなのに……

「せっかくの旅行を、何で咲といるの?
アホ??
唯ちゃんがどんな気持ちか考えた??
唯ちゃんとコウがいたら、先生……どう思う?」って言われてハッとした。

コウが唯ちゃんを好きでなかったら??

それでも………嫌だ。

…………………………。

オレは………唯ちゃんを不安にしてた??

「分かった?」

「……………うん。」

「だったら、今日の分まで明日は笑顔にして。」

したいと思う。

でも………どうやって??

「笑顔の写真を撮ってくること!
約束できる??」

チラッと見ると、梓先生が"うん"と頷けと合図していた。

うん。と頷くと

「だったら……………」と旅行本を出して、明日の作戦を教えてくれた。

二人の時間を作ってくれるみたいだ。

…………………本当に…………頭が上がらない。
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