野良ネコと…………ひなたぼっこ
「………………唯ちゃん、ずっと一人だった?」

オレの質問に………申し訳なさそうにうなずく。

あぁ~!!!

何やってんだよ!!

あぁ!クソ!クソ!クソ!

あれ程守るとかって言いながら………一番支えて欲しい時に

気づかないって………。

ホント、有り得ない。

あまりのイライラに、まともな運転が出来そうにないから………

一旦止まって、気を沈める事に………。

「…………先生、怒ってる??」

オレの怒りにびくびくしながら問う唯ちゃん。

「うん、とっても!」と答えると……悲しそうにうつむいた。

……………………???…………………!!!!マズイ!!

「あぁ~!違う違う。オレ自身にイラついてるだけ!」

オレのイライラが、唯ちゃんに向けてだと思ったらしい。

これ以上悲しませて、どうするんだ!!

「ごめん、気づいてやれなかった。
この1週間、デートを断るし……変だと思ったんだ。
けど、ほっぺにチュッってしちゃったし…………
唯ちゃんの性格からして……当たり前かなって思ったんだ。
まさか、こんな事になってたなんて………
一番辛い時に、支えにならなくて………ホントにごめんな。」

いつ帰って来るかも分からない家族を………一人ずっと待ち続けていたなんて……。

「唯ちゃん………泣いた?」

分かりきった事なのに…………つい、確認してしまう。

優しい唯ちゃんは………

「ううん。先生が沢山電話してくれたから、大丈夫だよ。
ほっぺにチュッも、ドキドキしてたし………」って。

ホント、周りに気を使ってばかりだ。

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