野良ネコと…………ひなたぼっこ
美香の見解によると

やっぱりなにかしら、虐待のようなものを感じるらしい。

酷くはないかもしれないし…本人じゃあないかもしれないけど……。

叩かれたか、叩かれる人の近くにいて見ていたか。



ケンといい……唯ちゃんといい……

オレの大切な人達は……何でこんなに苦しい思いをしているんだろう。

家族に疎外感を感じると……一人いじけていた自分が恥ずかしい。

「悠人も大人になったねぇ~」

人の顔を見て、しみじみ話す美香。

彼女もまた………家族によって自分の時間を振り回された一人だ。

兄貴に支えられて、今の幸せがあるとよく言っている。

「オレは……泣かせてばかりだから………」

いつになく弱気な言葉に……………頭を撫でられる。

オレの存在を………肯定されたように安心感を与えてくれる行動………

言葉にしなくても………

これだけでも……………

誰かが側にいてくれると……感じられるものなんだ……………。

「喧嘩したって、泣かせたっていい。
でもね………
1度支えるって決めて………手を取ったなら………離したらダメだよ。
信じた人に裏切られると…………本当に辛いから。
何があっても………一番の味方になるんだよ。」

この言葉は……

これから唯ちゃんと過ごす中で………

何度となく、思い返すことになった。



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