野良ネコと…………ひなたぼっこ
シャワーを終えて「おやすみなさい。」とソファーに近づいて来る。

半袖、短パンのパジャマは………やっぱり白地にピンクの水玉だ。

色白の肌に…ドキッとさせられる。

濡れたままの髪にバスタオルって………

どれだけオレの理性を試すつもりなんだろう??

『大丈夫』という唯ちゃんを、強引に座らせてドライヤーを取りに行く。

思った以上に細く柔らかな髪は、強くすると切れてしまいそうだ。

何度も撫でた頭だけど

濡れた髪を乾かすとなると………シャンプーの匂いに恥ずかしくなる。

照れ隠しに

「お客さま~。熱くないですかぁ~」と美容師さんごっこで誤魔化してみても……

耳まで赤くしてうつ向かれては、オレのドキドキもおさまらない。

違うことを考えようと……子供や幼稚園、四人やケンを思い浮かべても

全て唯ちゃんと繋がってしまう。

もう、この子のいない生活は…………ないんだろうなぁ~。

大分、髪も乾いてきて……指通りもスムーズになった頃

恥ずかしさとは明らかに違う……うつむき加減をするようになった。

「唯ちゃん、起きてる??」

「……うん………おきてる…………よぅ………」

「お~い。唯ちゃん~」

「………うん……う………ん。おき……て……るよ………」

「ねぇ~。寝てるよ~」

「………………………。」

返事がなくなった彼女に

「ねぇ~唯ちゃん。
………この間言ってた……"お願い"……………今日使ってもいい??」と聞いてみた。

「う………ん。………いい……よぅ……………… 」

ヨシ!!

「だったら、今日は………一緒に寝よう。」

オレの無茶なお願いに

「う……ん。いいよ。…………………」と。

ごめんね。………ズルい大人で。

あどけない表情の唯ちゃんの寝顔を堪能して………眠りについた。
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