野良ネコと…………ひなたぼっこ
窓に射し込む朝陽に目を覚ますと

オレの肩に頭を預けて眠る唯ちゃん。

「そっかぁ~。あのまま寝ちゃったんだ。」

昨夜の出来事を思い浮かべ

寝にくい体制の唯ちゃんを、そっとオレの膝に頭を横たわらせようと

昨日乾かした髪に触れる。

フッと目を開けて、焦点の定まらない目をパチパチする。

「おはよう。」

オレの声かけに

「……………おは……よう。」と全く起きてない。

クスクス笑って頭を撫でると、自分からすり寄って体を預ける。

無防備な姿に、昨夜のような雄の気持ちとは違って……

父親のような愛情がわき上がる。

「気持ちよさそう。」

髪をすきながら、夢を見ている幸せそうな顔を楽しむ。

起きていたら、絶対に見せてくれない表情だ。

いつかは、この顔が当たり前になるようにしたい。

………………………。

オレと子供が公園で走り回って………

お腹の大きな唯ちゃんが……この表情で、ベンチから見守る。

『パパ、◯◯君。
暑いから、お茶を飲んでから遊んでね~』って笑いながら。

今まで付き合った彼女達に………結婚やその先を思い描いたことはなかった。

その都度、真剣だったのに。

……………オレにとって………唯ちゃんは特別なんだろうなぁ。

彼女に出逢ったことに感謝しながら、もう少し眠ることにした。
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