龍使いの歌姫 ~神龍の章~
「お嬢さんの言い分は良く分かんねぇけど、一緒に来てもらうぜ」
「………」
言葉を発せられず、レインはただ、呆然と立ち尽くす。
「こいつは、連れていかせない」
「兄貴、おいらも手伝うぞ」
アルとゼイルはレインとティアを庇うように前に出る。
「やる気があるのはいいが、この人数に勝てるとでも?」
「兄貴、竜騎士の相手頼む。おいらはそこのフード連中の相手するぜ」
「……任せた」
双方武器を構え、向かい合う。だが、竜騎士は武器を構えることなく、レインを見ていた。
(七年前、サザリナ様の弟子が死んだと聞いた。そして、この女性は『ティアナ姉さん』と呼んでいた)
自分の知っているサザリナの弟子は、一人だけ。だが、ティアナと言う名前ではない。
(慈愛の魔女ティアニカ。そう呼ばれていた。……そして、彼女は姫様の世話係だった)
ある日、彼女はレオンと共に、龍笛を盗んで消えた。そして、七年前のあの日に、彼女は死んだ。
「……一つ聞きたい。お前の言うティアナとは、魔女ティアニカのことか?」
「……姉さんは、ティアナと言う名前です。確かに魔女でしたが」
「緑色の髪を持つ、黒いカラスを連れた女性だな?」
竜騎士の質問に、レインは目を瞬く。
「……そう……です」
「……彼女は、かつて城に仕えていた人だ。貴女は彼女を姉と呼んだが、彼女には妹はいない。魔女の一族は、ティアニカが逃げた後、見せしめとして殺されたからな」
「!!」
竜騎士の言葉に、目を見開く。
「恐らく貴女は、ティアニカがどこかで拾った人間だろう。貴女はティアニカと血の繋がりはない」
竜騎士の言葉が、レインには良く分からない。何を言われているのか、頭が追い付かない。
自分が姉の妹ではない事と、姉が城に仕えていたことを知り、レインには衝撃が強かった。
「どういうこと……ですか?」
「その答えは、恐らくサザリナ様が握っているだろう。知りたいのなら、一緒に来い」
竜騎士の言葉に、レインは迷う。姉の死の真相を知れるかもしれないが、城へ行ったら、もう龍の谷には戻れないかもしれないと思ったからだ。
「……ッチ、大人しく言うことを聞け!」
竜騎士とレインが話している間に、フードの人間の一人が背後に回り込み、ティアを捕らえた。
「いやぁ!離して!」
「ティア!」
「「!」」
レインの声と同時に、アルとゼイルも振り返る。
「一緒に来てもらうぞ。どの道貴様に選択肢などない!」
「……勝手なことを」
竜騎士の呟きは聞こえず、フードの人間はレインを見る。
手にはナイフを握っており、それをティアの頬へとかざしていた。
「さぁ?どうする?」
「………」
言葉を発せられず、レインはただ、呆然と立ち尽くす。
「こいつは、連れていかせない」
「兄貴、おいらも手伝うぞ」
アルとゼイルはレインとティアを庇うように前に出る。
「やる気があるのはいいが、この人数に勝てるとでも?」
「兄貴、竜騎士の相手頼む。おいらはそこのフード連中の相手するぜ」
「……任せた」
双方武器を構え、向かい合う。だが、竜騎士は武器を構えることなく、レインを見ていた。
(七年前、サザリナ様の弟子が死んだと聞いた。そして、この女性は『ティアナ姉さん』と呼んでいた)
自分の知っているサザリナの弟子は、一人だけ。だが、ティアナと言う名前ではない。
(慈愛の魔女ティアニカ。そう呼ばれていた。……そして、彼女は姫様の世話係だった)
ある日、彼女はレオンと共に、龍笛を盗んで消えた。そして、七年前のあの日に、彼女は死んだ。
「……一つ聞きたい。お前の言うティアナとは、魔女ティアニカのことか?」
「……姉さんは、ティアナと言う名前です。確かに魔女でしたが」
「緑色の髪を持つ、黒いカラスを連れた女性だな?」
竜騎士の質問に、レインは目を瞬く。
「……そう……です」
「……彼女は、かつて城に仕えていた人だ。貴女は彼女を姉と呼んだが、彼女には妹はいない。魔女の一族は、ティアニカが逃げた後、見せしめとして殺されたからな」
「!!」
竜騎士の言葉に、目を見開く。
「恐らく貴女は、ティアニカがどこかで拾った人間だろう。貴女はティアニカと血の繋がりはない」
竜騎士の言葉が、レインには良く分からない。何を言われているのか、頭が追い付かない。
自分が姉の妹ではない事と、姉が城に仕えていたことを知り、レインには衝撃が強かった。
「どういうこと……ですか?」
「その答えは、恐らくサザリナ様が握っているだろう。知りたいのなら、一緒に来い」
竜騎士の言葉に、レインは迷う。姉の死の真相を知れるかもしれないが、城へ行ったら、もう龍の谷には戻れないかもしれないと思ったからだ。
「……ッチ、大人しく言うことを聞け!」
竜騎士とレインが話している間に、フードの人間の一人が背後に回り込み、ティアを捕らえた。
「いやぁ!離して!」
「ティア!」
「「!」」
レインの声と同時に、アルとゼイルも振り返る。
「一緒に来てもらうぞ。どの道貴様に選択肢などない!」
「……勝手なことを」
竜騎士の呟きは聞こえず、フードの人間はレインを見る。
手にはナイフを握っており、それをティアの頬へとかざしていた。
「さぁ?どうする?」