龍使いの歌姫 ~神龍の章~
ゼイルとティアは、一度龍の谷へと戻った。
『……レイン……アル……』
『心配すんなよティア!兄貴と姉貴ならきっと無事だ』
励ますようにそう言いながらも、ゼイルも心配だった。
『おじじ様にお話しに行くの!』
『そうだな。爺さんに話してみるか』
ゼイルとティアは長老の元へと向かう。
『おじじ様!大変なの!!』
『……レインとアルのことじゃな』
『爺さん、知ってたのか?!』
ゼイルの言葉に、長老は頷いた。
『……やはり、歌わずとも奴はレインを見付けてしもうたか』
『爺さん、分かるように言ってくれよ?!』
『レインとアルは、恐らくもう城へ連れていかれたじゃろう』
長老が落ち着いた声音で言うと、ゼイルは驚いて長老に詰め寄る。
『どういうことだよ?!』
『落ち着け』
長老に諭されても、落ち着いてなどいられない。
『落ち着いてられっか!おいら、兄貴達の所へ行って―』
『ゼイル。今二人の元へ行っても、二人を危険な目に合わせるだけじゃ。アルがお主達を逃がした意味が無くなるじゃろ』
ゼイルの言葉を阻み、長老はそう告げる。
『……逃がすためって……じゃあ、兄貴はわざと?』
『恐らくの。お主達を利用されては困ると思うたのか、逃がしたのじゃろう。ここなら安全じゃからの』
『………』
『ゼイル』
ティアの不安そうな声が聞こえ、ゼイルはティアを見下ろす。
『……おいら』
『ゼイル。今は機会を待つのじゃ。ティアもの……運命が動く瞬間は、もうそこまで来ておる』
だから、それまで耐えろと、長老は言った。
(……ごめん。兄貴、姉貴。不甲斐ない弟で……)
だが、絶対に二人を助け出す。ゼイルはそう誓った。
『……レイン……アル』
ティアにとって、大切な両親。
最初こそレインの言うことしか聞かなかったが、アルの言葉も段々素直に聞くことが出来るようになった。
『……レイン……アル……』
『心配すんなよティア!兄貴と姉貴ならきっと無事だ』
励ますようにそう言いながらも、ゼイルも心配だった。
『おじじ様にお話しに行くの!』
『そうだな。爺さんに話してみるか』
ゼイルとティアは長老の元へと向かう。
『おじじ様!大変なの!!』
『……レインとアルのことじゃな』
『爺さん、知ってたのか?!』
ゼイルの言葉に、長老は頷いた。
『……やはり、歌わずとも奴はレインを見付けてしもうたか』
『爺さん、分かるように言ってくれよ?!』
『レインとアルは、恐らくもう城へ連れていかれたじゃろう』
長老が落ち着いた声音で言うと、ゼイルは驚いて長老に詰め寄る。
『どういうことだよ?!』
『落ち着け』
長老に諭されても、落ち着いてなどいられない。
『落ち着いてられっか!おいら、兄貴達の所へ行って―』
『ゼイル。今二人の元へ行っても、二人を危険な目に合わせるだけじゃ。アルがお主達を逃がした意味が無くなるじゃろ』
ゼイルの言葉を阻み、長老はそう告げる。
『……逃がすためって……じゃあ、兄貴はわざと?』
『恐らくの。お主達を利用されては困ると思うたのか、逃がしたのじゃろう。ここなら安全じゃからの』
『………』
『ゼイル』
ティアの不安そうな声が聞こえ、ゼイルはティアを見下ろす。
『……おいら』
『ゼイル。今は機会を待つのじゃ。ティアもの……運命が動く瞬間は、もうそこまで来ておる』
だから、それまで耐えろと、長老は言った。
(……ごめん。兄貴、姉貴。不甲斐ない弟で……)
だが、絶対に二人を助け出す。ゼイルはそう誓った。
『……レイン……アル』
ティアにとって、大切な両親。
最初こそレインの言うことしか聞かなかったが、アルの言葉も段々素直に聞くことが出来るようになった。