龍使いの歌姫 ~神龍の章~
風が舞う花畑に、龍達は集まり寛いでいる。
「~♪」
龍達に囲まれるようにして、一人の女性が歌っていた。
女性と言うよりは、まだ幼さが残る顔なので、少女とも言えるだろうが。
年齢的には、成人になっている。
真っ赤な髪は腰まで伸び、高い位置で白い紐で一本に結んでいる。
背中には弓矢を背負っており、首から掛けた横笛が、風に揺らされていた。
着物は前のは着られないので、新しいのを長老から贈られたため、前の服よりは女性らしいが。
相変わらずズボンを履いているし、カエルや虫を平気で鷲掴み出来る所は変わっていない。
「……はい、おしまい!」
『有り難う!お陰で気分が良くなったよ』
『また新しい歌が出来たら、聞かせておくれね』
歌が終わると、龍達はそれぞれ空へと羽ばたく。
その光景を眩しそうに、目を細目ながら額に手を当てると、思わず笑みが漏れる。
人間に飼われることなく、自分の意思で生きることが出来る。
それが、生き物の自然な姿。
「次はどんな歌を作ろうかな」
龍の長老から、歌を歌って欲しいと言われてから、レインは話をした後、龍達に歌を聞かせていた。
最初は村で聞いた歌を歌っていたが、その内自分でも歌を作りたくなって、メロディーを考えながら心に浮かんだ言葉をのせる。
それが、とても楽しくて。
こんなに楽しいことを今まで出来なかったのを、とても勿体ないと感じた。
その場に座り込むと、顔にかかる横髪を耳にかける。
(………姉さんは、どうして歌うなと言っていたのかな?)
今ではもう、姉の顔を思い出せない。姉の声はいつまでも残っているというのに。
「……もう、七年前になるんだね。私が姉さんを失って、師匠に拾われてティアが生まれて、そしてここへ来て」
レオンの元で三年。ここに来て、今年で四年になる。
「レイン」
「アル。いらっしゃい!」
レインは十八才。もうすぐて、十九才になろうとしていた。
「~♪」
龍達に囲まれるようにして、一人の女性が歌っていた。
女性と言うよりは、まだ幼さが残る顔なので、少女とも言えるだろうが。
年齢的には、成人になっている。
真っ赤な髪は腰まで伸び、高い位置で白い紐で一本に結んでいる。
背中には弓矢を背負っており、首から掛けた横笛が、風に揺らされていた。
着物は前のは着られないので、新しいのを長老から贈られたため、前の服よりは女性らしいが。
相変わらずズボンを履いているし、カエルや虫を平気で鷲掴み出来る所は変わっていない。
「……はい、おしまい!」
『有り難う!お陰で気分が良くなったよ』
『また新しい歌が出来たら、聞かせておくれね』
歌が終わると、龍達はそれぞれ空へと羽ばたく。
その光景を眩しそうに、目を細目ながら額に手を当てると、思わず笑みが漏れる。
人間に飼われることなく、自分の意思で生きることが出来る。
それが、生き物の自然な姿。
「次はどんな歌を作ろうかな」
龍の長老から、歌を歌って欲しいと言われてから、レインは話をした後、龍達に歌を聞かせていた。
最初は村で聞いた歌を歌っていたが、その内自分でも歌を作りたくなって、メロディーを考えながら心に浮かんだ言葉をのせる。
それが、とても楽しくて。
こんなに楽しいことを今まで出来なかったのを、とても勿体ないと感じた。
その場に座り込むと、顔にかかる横髪を耳にかける。
(………姉さんは、どうして歌うなと言っていたのかな?)
今ではもう、姉の顔を思い出せない。姉の声はいつまでも残っているというのに。
「……もう、七年前になるんだね。私が姉さんを失って、師匠に拾われてティアが生まれて、そしてここへ来て」
レオンの元で三年。ここに来て、今年で四年になる。
「レイン」
「アル。いらっしゃい!」
レインは十八才。もうすぐて、十九才になろうとしていた。