龍使いの歌姫 ~神龍の章~
「神龍様。貴女の穢れは、私が全て引き受けましょう」
彼女は歌を歌い、神龍を落ち着かせると、神龍へと手を当てた。
すると、神龍の体から黒い霧が溢れだし、少女の中へと吸い込まれる。
「……私がこの国を治めます。ですから、神龍様はこの国を、他の国から守ってください。……国の穢れは、私が引き受けます」
『お主は、何者じゃ?』
「……私の名はリーザ。赤の民と白の民。両方の血を受け継ぐ者です」
彼女は、奇跡的に逃げ延びることが出来た、赤と白の民の間に生まれた子供だった。
龍を癒す力と、龍を殺す力。その両方を受け継いでいた存在だった。
本当ならば、彼女は神龍を殺すためにやって来たのだが、彼女は出来なかった。
あまりにも、優しすぎてしまった。
だから、神龍が身に溜め込んだ穢れを、彼女は引き受けた。
そして、彼女が神龍を宥めた姿を、遠目から見ていた人達は、操ったのだと思った。
神龍を従わせた彼女を王と崇め、龍を制する王と言う意味を込めて、龍王と呼んだ。
だが、彼女が国の穢れを引き受けたその代償は、あまりにも大きすぎたのだった。
彼女は歌を歌い、神龍を落ち着かせると、神龍へと手を当てた。
すると、神龍の体から黒い霧が溢れだし、少女の中へと吸い込まれる。
「……私がこの国を治めます。ですから、神龍様はこの国を、他の国から守ってください。……国の穢れは、私が引き受けます」
『お主は、何者じゃ?』
「……私の名はリーザ。赤の民と白の民。両方の血を受け継ぐ者です」
彼女は、奇跡的に逃げ延びることが出来た、赤と白の民の間に生まれた子供だった。
龍を癒す力と、龍を殺す力。その両方を受け継いでいた存在だった。
本当ならば、彼女は神龍を殺すためにやって来たのだが、彼女は出来なかった。
あまりにも、優しすぎてしまった。
だから、神龍が身に溜め込んだ穢れを、彼女は引き受けた。
そして、彼女が神龍を宥めた姿を、遠目から見ていた人達は、操ったのだと思った。
神龍を従わせた彼女を王と崇め、龍を制する王と言う意味を込めて、龍王と呼んだ。
だが、彼女が国の穢れを引き受けたその代償は、あまりにも大きすぎたのだった。