血潮燃ゆーー月よ、星よ、我が祈りを聞け！

声なき嘆き

足元から凍てつく冷たさが立ち上ってくる。

締め上げるような痛みを伴い、じわりじわりと体が痺れ、思わず短い悲鳴を上げた。

風もないのに木々がざわめき、耳鳴りが止まない。

ざわめきに混じり、地を這う呻き声が耳をつんざく。

唸りは言葉と認識できるものではなく、ただ渦巻くばかりで汲み取れない。

悲しみと悔しさと怒りと、そして……虚しさが胸に突き上げ、凍える肩をギュッと両腕で抱きしめた。

いつから流れ出したのか、頬に涙が伝っていた。

「何故……」

思わず口にした問いかけに答える者の姿はない。

誰もいない、なのに気配だけがそこにあるーー気がした。

「誰かいるの？」

肩を抱きしめたまま、呟く。

薄墨に染まっていく景色を照らすように、山の間から月が顔を覗かせている。

微かな吐息に耳をそばだてたその刹那、景色にゆっくりと靄がかかった。