君の隣て嘘をつく
タイトル未編集
高校3年の夏
バイト終わりの帰り道
いつも家まで送ってくれる雅人
私と雅人は中学校からの仲でいつもケンカばかりしてた
みんなからは「ケンカするほど仲良いって言うよね」って笑い話にされていた
今となっても笑い話のままだ
暗くなって人通りが少ない道に街灯がほんのりピンク色に光っていた
高校は一緒だったがクラスが別々になってしまって全く話さなくなっていた
高校に入ってすぐに私はバイトを始め
雅人は部活に専念していた
でも、雅人が部活を引退し留学のため私のいるバイト先で働き始めた
昔はあんなにケンカばかりだったのに今では普通に一緒に帰ったり喋ったりしている

自転車を押しながら雅人はいつも
「彼女なんで出来ないのかな〜」って笑ってる

「それは性格に問題あるんじゃないと?」って言い、つられて笑ってしまった

でも、こんな笑い話もう最後なのにね

私は今日でバイトを辞めなければいけなかった

もう、一緒に帰れないんだ
もう、こんな笑い話できないんだ

そう思ったら涙がでてきて

「おい、なに泣いてんだよ」って優しく頭をなでる雅人

「だって!もう、こんなに笑い話できなくなるんだよ!」

涙が止まらない

どうしよう

「大丈夫だから」ニコって笑う雅人

「え?」

「学校一緒なんだから、話せるだろ」
雅人が涙をそっとふいて笑った

「そうだよね」やっと涙がとまった
その時、もう一緒に笑い話ができなくなるぐらいで大泣きした事が恥ずかしくなって私は顔を真っ赤にした

ドキドキ

ドキドキ

胸の音が聞こえる

「じゃあな!」雅人が頭をなでる

はっ!っと気がついた頃には家についていた

「うん、バイバイ」って手をふって自転車を乗りながらかえる雅人を見送った

私、雅人が好きなんだ…

胸がぎゅーって苦しくて

少し寂しくて

もっと隣にいたかった

私はその時始めて恋をした

でも、これからもっと寂しくて辛い事が起こる事を私はまだ知らない

つづく
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