不本意ですが、異世界で救世主はじめました。
魔法陣の周囲には、ぽつぽつと人が立っていた。
等間隔に立っていなかったので、比較的広く空いている方へ全速力で向かう。
ホールにはいくつか開口部があり、先行きは廊下になっていた。そのうちの一つに入った。
ずずっと奥へ伸びている廊下は、両側が窓になっていて明るい。
「……夜だったはずよね。どうして――」
息遣いが早くなってくる中では、呟きも切れ切れになる。
後ろにしてきたホールで、誰かが大きな声で『ジリアン様っ』と言った。まゆこはうしろをちらりと振り返り、恐怖で叫びそうになる。
――追いかけてくるっ。
髪を靡かせ、ダッシュしてくるのは先ほどジリアンと名乗った青年だ。
際だった表情も浮かばせず、『待て』も『止まれ』もなく、無言で追ってくる様子に恐怖を感じた。
しかも彼は次第に速度を上げていたから、間が縮まってくる。
等間隔に立っていなかったので、比較的広く空いている方へ全速力で向かう。
ホールにはいくつか開口部があり、先行きは廊下になっていた。そのうちの一つに入った。
ずずっと奥へ伸びている廊下は、両側が窓になっていて明るい。
「……夜だったはずよね。どうして――」
息遣いが早くなってくる中では、呟きも切れ切れになる。
後ろにしてきたホールで、誰かが大きな声で『ジリアン様っ』と言った。まゆこはうしろをちらりと振り返り、恐怖で叫びそうになる。
――追いかけてくるっ。
髪を靡かせ、ダッシュしてくるのは先ほどジリアンと名乗った青年だ。
際だった表情も浮かばせず、『待て』も『止まれ』もなく、無言で追ってくる様子に恐怖を感じた。
しかも彼は次第に速度を上げていたから、間が縮まってくる。