不本意ですが、異世界で救世主はじめました。
 秋も深まり、急に寒くなったその夜。まゆこは再び躓いたときの夢を見る。

 彼女を包んだ光と、口が開いたような異世界への入り口を第三者の目で見ている。

 光る。そして入り口が開いた。しかし、魔法陣はない。

 魔法陣が光ったんじゃないの?

 ウィズ側では大きな魔法陣があり、それは白い光を放っていた。

 移動する前に彼女を包んだ光。見知っている光のような気がした。

 なにかが迫ってくる。四角の顔をして、丸い足を四つ持つものが。

 急激に不安がこみあげる。

 不安は大きく膨れ上がり、まゆこを押しつぶそうとした。
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