不本意ですが、異世界で救世主はじめました。
大きな力ではないと断言された以上、足手纏いにならないためにも安直に使わないようにしようと考え直す。
第一、使うも使わないも、コントロールができていない。
彼は両腕でゆるりとまゆこを抱きしめる。
「ジリアン?」
「使うなよ。自然になにかの作用を及ぼすことなど誰にもできない。私たちは利用するだけで自然そのものに対してはなにもできないんだ。それを、よりにもよっておまえが――」
どういう方法とか、使い方とか、自分にはよく分かっていないが、ジリアンは理解している。
歯ぎしりが聞こえてきそうだ。怒られているようで、まゆこは意気消沈した。
「ジリアン様」
ルースが彼の注意を促すまで、まゆこはジリアンの腕の中にいた。
緩く囲われる腕は、振りほどこうと思えばできるものだったが、彼女は動かずにそのままでいた。
第一、使うも使わないも、コントロールができていない。
彼は両腕でゆるりとまゆこを抱きしめる。
「ジリアン?」
「使うなよ。自然になにかの作用を及ぼすことなど誰にもできない。私たちは利用するだけで自然そのものに対してはなにもできないんだ。それを、よりにもよっておまえが――」
どういう方法とか、使い方とか、自分にはよく分かっていないが、ジリアンは理解している。
歯ぎしりが聞こえてきそうだ。怒られているようで、まゆこは意気消沈した。
「ジリアン様」
ルースが彼の注意を促すまで、まゆこはジリアンの腕の中にいた。
緩く囲われる腕は、振りほどこうと思えばできるものだったが、彼女は動かずにそのままでいた。