不本意ですが、異世界で救世主はじめました。
 そして、夢を見る。

 躓いた。

 トートバックは肩から滑り落ち、歩道の端の段でさらによろめいて数歩前に出る。光に包まれ、そして異世界への口が開く。

 あの光が車のライトだったとしたら。

 まゆこの視界の端になにかが掠めた。

 無意識の領域でも、目で捉えたものは脳内に留められている。

 ――トラック……?
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