不本意ですが、異世界で救世主はじめました。
「車っていうのは、移動に使う乗り物なの。馬車から馬を外した感じ。動力があって、ガソリン……えと、燃える黒い水のようなものが主燃料なのよ」
「おまえのところは魔法のない世界だったな。馬も魔法もなくて動くのか。不思議な話だ。馬を外したというなら、箱型なんだな」
まゆこからしたら、魔法世界の方が不思議でいっぱいなのだが。
「そう。車輪は四つあるの。スピードも出るのよ。馬車よりもずっと速いし、頑丈。まともにぶつかると命がなくなることが多いわね」
「……私には想像もつかないな」
魔法闘技が近い。まゆこはジリアンを安心させるために笑う。
「ごめんなさい。起こしてしまったわね。そんなに大きな声をだしたなんて」
「いや。マユコのことを気にしていたから聞こえたんだ。もとから眠れていなかった。おまえが起こしたということはない」
う……と言葉に詰まる。まるで、まゆこのことが気がかりで眠れなかったと言われているようだった。
あらためて聞き直すような真似はできない。踏み込みすぎるのを恐れるせいで、やはり一歩引いてしまう。結果として、話題を替えることになる。
「おまえのところは魔法のない世界だったな。馬も魔法もなくて動くのか。不思議な話だ。馬を外したというなら、箱型なんだな」
まゆこからしたら、魔法世界の方が不思議でいっぱいなのだが。
「そう。車輪は四つあるの。スピードも出るのよ。馬車よりもずっと速いし、頑丈。まともにぶつかると命がなくなることが多いわね」
「……私には想像もつかないな」
魔法闘技が近い。まゆこはジリアンを安心させるために笑う。
「ごめんなさい。起こしてしまったわね。そんなに大きな声をだしたなんて」
「いや。マユコのことを気にしていたから聞こえたんだ。もとから眠れていなかった。おまえが起こしたということはない」
う……と言葉に詰まる。まるで、まゆこのことが気がかりで眠れなかったと言われているようだった。
あらためて聞き直すような真似はできない。踏み込みすぎるのを恐れるせいで、やはり一歩引いてしまう。結果として、話題を替えることになる。