不本意ですが、異世界で救世主はじめました。
 最初の子が、同じお仕着せを着た他の女性数人と戻ってきても、まゆこはなにも言わずにされるままになった。

 彼女らが持ってきたのは、身体の上部を覆う薄絹と、パンティの代わりになりそうな下ばき、そして何重にもフリルが重なった下スカート。さらには、二人掛かりで運ばれてきた虹彩色の豪華なドレスだった。

 ドレスは織りもすごければ刺繍もすごい。柄はペイズリーに似ていた。

 軽くて半透明の被せスカートもあり、豪華すぎて目を見張ってしまう。

 襟ぐりがかなり開いていた。肘まで下がった袖の先は、レースとフリルで広がっているから、肘から下は腕を上げると肌が出る。

 どう見ても、貴族階級の貴婦人向きドレスだ。

 ――ヴィクトリア女王の姿絵みたいな? ……かなり違うか。

 ジリアンは公爵様だから、客分扱いになるまゆこもそういった身分の者と思われているのかもしれない。

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