不本意ですが、異世界で救世主はじめました。
特別席用の暖炉が消されると一気に寒くなってくる。まゆこは、マント式のコートをしっかり着付けて、フードまで被った。ルースたちも上着を着付ける。
眼下の闘技場では、ゲオルグが右腕を庇いながらも自力で歩いて闘技の場から退出してゆくところだった。
監視者たちがそのあとを小走りに追ってゆくのが笑いを誘う。
観客席から拍手が送られている中、フォンダン家の当主が中央へ出てきて、最後の挨拶を始めた。
「えー、実に見ごたえのある闘技で……」
その声を後ろ背にして、まゆこたちはバーンベルグ家の特別席から出た。
闘技場の裏側に作られている階段を走り下りる。通路を辿り回廊を回って北の出口を目指した。
興奮冷めやらぬ人々はまだ出てきていないので、ほとんど人がいない。そこを、マントを翻しながら走る。バタバタと逃げている。
「わたし、なにをやっているんだろう」
まゆこは走りながら呟いていた。
眼下の闘技場では、ゲオルグが右腕を庇いながらも自力で歩いて闘技の場から退出してゆくところだった。
監視者たちがそのあとを小走りに追ってゆくのが笑いを誘う。
観客席から拍手が送られている中、フォンダン家の当主が中央へ出てきて、最後の挨拶を始めた。
「えー、実に見ごたえのある闘技で……」
その声を後ろ背にして、まゆこたちはバーンベルグ家の特別席から出た。
闘技場の裏側に作られている階段を走り下りる。通路を辿り回廊を回って北の出口を目指した。
興奮冷めやらぬ人々はまだ出てきていないので、ほとんど人がいない。そこを、マントを翻しながら走る。バタバタと逃げている。
「わたし、なにをやっているんだろう」
まゆこは走りながら呟いていた。