不本意ですが、異世界で救世主はじめました。
太陽が沈む方角が西のはずだが、この世界はどうなのだろう。窓から眺めた限りでは、ベランダで見たときよりもっと地上が遠い気がした。
真下には、芝が張られた地面が見えている。
「四階くらいの高さかな。下の方の壁にも、横壁にも窓が一つもないなんて。不思議な造りだわ。向こうの方にも棟があるわね。あちらには窓がたくさんあるのに」
窓の外にベランダはなく、転落防止の手すりもなかった。突起一つない平らな壁が地面まで伸びるばかりだ。
「飛び降りるには高すぎるけど、窓枠の下側がすごく低いから、落ちるってことはありそう。幅もあるし」
もしかしたら侵入者を防ぐ意味もあれば、いざというときに逃げ出せるようにと考えられているのかもしれない。
この窓から逃げるには魔法の力が必須だから、まゆこには無理だ。
真下には、芝が張られた地面が見えている。
「四階くらいの高さかな。下の方の壁にも、横壁にも窓が一つもないなんて。不思議な造りだわ。向こうの方にも棟があるわね。あちらには窓がたくさんあるのに」
窓の外にベランダはなく、転落防止の手すりもなかった。突起一つない平らな壁が地面まで伸びるばかりだ。
「飛び降りるには高すぎるけど、窓枠の下側がすごく低いから、落ちるってことはありそう。幅もあるし」
もしかしたら侵入者を防ぐ意味もあれば、いざというときに逃げ出せるようにと考えられているのかもしれない。
この窓から逃げるには魔法の力が必須だから、まゆこには無理だ。