不本意ですが、異世界で救世主はじめました。
 彼女はまだ夜のドレスのままだったから、首筋の周りは割と開いていた。そこにジリアンの顔が埋まってゆく。

 首筋を舐められて吸い上げられる。うなじには、身体のいたるところへ痺れるような感覚を届ける壺があった。

 だからそこを舌で突かれて強く吸われると、足先までがじんっと感じてしまう。

 すでに両目はぎゅうぎゅうに閉じているから、ジリアンがどういう表情をしているのか分からない。

 彼の手が胸に掛かってドレスの布の上からぐっと掴む。

「あ……っ、あぁ……」

 頬が熱い。顔全体に熱が上がっている。吐く息も熱くなっていた。それなのに、腰も脚もひどく強張っている。
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