不本意ですが、異世界で救世主はじめました。
まゆこは感嘆した口調で言う。
「魔法を使ったのよね。魔法ってすごい……というより、ジリアンがすごいんだよね。『限りなく短い言葉で大きな魔法』を使ったんでしょう? 地上に激突する前に空気の塊の形まで造っているなんて。ジリアン、すごい。すごいわ」
ぼんやりしているので、頭に浮かんだ言葉をそのまま口にしていた。
彼は顔を上げる。不思議な表情をしていた。困ったような、驚いたような。
ジリアンは両膝を付いた状態で、座り込んでいる彼女を緩く抱きしめる。まゆこはひくりと身動いた。しかし、彼は放さない。
強い力ではなかったので引きはがそうと思えばできただろう。どうしようか迷っているうちにジリアンは上半身を放すと、彼女を眺めながら言う。
「すごい、か。いまのは気体を固形化するときに使っている。他から学んだものではなく、私が練った魔法だ。褒められるのは良い気持ちだな。ただ、調整が恐ろしく難しくて持続させるのは無理だった。結局、地面に落としてしまったな。すまない」
「謝るなんて、変ね。あなたの力で助かったんじゃない。ありがとう、ジリアン」
頭がどこかふらふらしていた。思ったことが次から次へと出てきてしまう。
「魔法を使ったのよね。魔法ってすごい……というより、ジリアンがすごいんだよね。『限りなく短い言葉で大きな魔法』を使ったんでしょう? 地上に激突する前に空気の塊の形まで造っているなんて。ジリアン、すごい。すごいわ」
ぼんやりしているので、頭に浮かんだ言葉をそのまま口にしていた。
彼は顔を上げる。不思議な表情をしていた。困ったような、驚いたような。
ジリアンは両膝を付いた状態で、座り込んでいる彼女を緩く抱きしめる。まゆこはひくりと身動いた。しかし、彼は放さない。
強い力ではなかったので引きはがそうと思えばできただろう。どうしようか迷っているうちにジリアンは上半身を放すと、彼女を眺めながら言う。
「すごい、か。いまのは気体を固形化するときに使っている。他から学んだものではなく、私が練った魔法だ。褒められるのは良い気持ちだな。ただ、調整が恐ろしく難しくて持続させるのは無理だった。結局、地面に落としてしまったな。すまない」
「謝るなんて、変ね。あなたの力で助かったんじゃない。ありがとう、ジリアン」
頭がどこかふらふらしていた。思ったことが次から次へと出てきてしまう。