誰からも愛されない
① 離 婚
✛✛出て行く
私は、今日ここを出て行く。
部屋は、全て綺麗に片付けた。
いつから・・・・
私達の心は離れてしまったのか
私が、いけなかったのか
だが・・・
もう、考えるのも疲れてしまった。
綺麗になったテーブルの上に
離婚届けと結婚指輪。
離婚届けの私の証人は
新の母・皐(さつき)さんと
銀行で仲良くしてもらっている先輩の
紫月(しづき)さん。
二人には、ずっと心配かけて
ずっと優しくしてもらって
感謝、なんて言葉では
言い尽くせない・・・・
今日からは、新しい土地で、
ひっそりと生きて行く。
今までの事を思い出す
自分の頭をふりながら
玄関に向かい
そのまま 扉を閉めた。
マンションの鍵は、
ポストにいれた。
《カチャーン》
‥‥‥異様に音が響いていた。
結婚生活5年目だった。