誰からも愛されない

彩心は、病室に運ばれた。

目覚の時期は、私達医者でも
わからなかった。

私は、彩心の職場の紫月さんに連絡した。

紫月さんは、
直ぐに病院に駆けつけてくれた。

私は彼女と話をした。
彼女は、涙を流しながら
「まだ、決まったわけでは
ありませんよね。」
と、無理に涙を止めた。

皐は、
「彩心が回復したら
息子とは、離婚させて
違う県に引っ越しを
させようと思います。

そうでないと
この子は、壊れてしまう。
今も、きっと壊れそうなはずだから。」
と、言った。

紫月は、
「直ぐに手配します。」
と、言って
支店長に連絡して
「如月が自宅で倒れて病院に
運ばれましたので
しばらく休ませます」
と、報告した。

支店長は、紫月の指導係りだった方で
了承してくれて
転勤の話しも直ぐに動いてくれた。

「先輩ありがとうございます。
詳しくは、必ずご連絡します。」
「借りだぞ、紫月。
わかったな、だが如月さんが
早く回復してくれると良いな。」
と、言ってくれた。
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