誰からも愛されない

✛✛父に報告


「じゃ、帰りましょうか?」
と、言うと忍さんはどんどん歩き出す。
私は、忍さんに手を引かれ空港を後にした。


凪は、突然現れた兄にびっくりした。

兄が現れる前は、彩心と話してと
思っていたが、兄が言ったように
俺の側で硬い表情の彼女を見て
どうしたら良いのか
わからない状態だったのは、
確かだった。

だが、あの仕事一途の兄が
わざわざ、迎えにきた?
スーツだったから
仕事をしていたはずだ。

それに、彼女の表情を見抜いた?

回数的にも
そんなに会っていないはずなのに。

彼女の個人的な事に
ずかずか入って良いわけではない。

ここは、一端引いて
様子を見ることにして
兄と彼女の後姿を見送り
帰宅した。

凪は、Akiyamaの顧問弁護士を
一人でやっている。
事務所も住まいと一緒だ。
いまは、大きな案件はないが
小さな物があったので
その片付けを行う事にした。

父親には、帰宅した事は報告をした。
母親の風邪の状態も気になってい
たから。

父親には、
会って詳しい話をすると伝えてから
兄貴が空港に迎えにきた事を
と、言うと
父親は、大笑いをして
電話を切った。
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