誰からも愛されない
✛✛緊張
翌日、忍さんから
「今週末に一緒に家に行って欲しい。」
と、言われた。
凄く緊張するが、忍さんのお母様に
お会いしてみたかった。
その日、彩心は皐に電話して
服装やお土産など
教えてもらった。
皐さんは、
「いつもの彩心で良いのよ。」
と、言ってくれた。
土曜日の10時に忍さんと
忍さんの実家に伺った。
« ピンポン »
ガチャとドアが開き
「いらっしゃい。」
大きなお屋敷
駐車場からも距離がある
玄関も立派過ぎ
出てこられた女性は
小柄な綺麗女性。
「母さんが、出迎えてくれたの?」
「当たり前じゃない。
彩心さんに
少しでも早くお会いしたいから。
さぁっ、彩心さんあがって。」
「はっい。お邪魔します。」
「「うふふっ、クスクスっ」」
お母様と忍さんに笑われながら
お邪魔した。
長い廊下を歩いていく中·····
緊張していると·····
忍さんがそっと
手を繋いでくれて
びっくりして顔をあげると
微笑んでくれた。
ああ、わかってくれたんだ
嬉しい・・・なぁ。
と、思っていた。
そんな、私達をお母様が
嬉しそうに見てくれていたなんて。