誰からも愛されない

しばらくすると
家に女の人が訪ねてきたり
郵便が届いたりするようになった。

大体は、
「私は、新さんと真剣に付き合っています。」
「新さんと別れてください。」
と言う内容だった。

新に確認すると
「勘違してんだよ。ちゃんと言っとく。」
と、言うだけ。

何度も何度も続くから
改めて新に訊ねるが
のらりくらりと
言い訳をする新に
「皐さんに相談してみるね。」
言うと
「お前が行くとこないから
俺が外で遊ぶしかないだろう!!」
と、怒鳴りちらす·····

「そんなにその人が大事なら
その人と一緒になって
幸せなれば良いよ。」
と、言うと

今度は、手のひら返すように
「もう二度と浮気はしない、
俺には、彩心が一番なんだから。」
と、土下座をして謝る。

こんなことが······二年続いた。

そんな私達の様子を
皐さんが気づかないわけがなく
乗り込んできて
新を怒鳴りつけた。

その度に、ひと月、ふた月は、
新も落ち着くが
直ぐにまたはじまる。

銀行でもミスをおこし
紫月さんに心配され
紫月さんに、全てを話した。

紫月さんは、
かなり心配してくれた。
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