誰からも愛されない

✛✛帰るよ


それまで、黙っていた
秋山さんが
「凪。勉強し直して来い。
身内に甘いだけでは、
話にならない。よいな。」
と、伝えると凪さんは、
「·····はい·····わかりました。」
と、苦渋な顔で答えた。

それを見て秋山さんは、
「彩心ちゃん、せっかく来てくれたのに
嫌な思いをさせてしまい
申し訳ない。
疲れたであろう。
今日は帰ってゆっくりして欲しい。
忍、頼んだぞ。」
と、私と忍さんに言う。

「はい。
では、また日を改めて。
彩心、帰るよ。」
と、忍に手を引かれ
彩心は、秋山さんとお母様に
頭を下げて忍と共に秋山邸から出た。
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